杜街 diary

仙台・宮城・東北の街歩きと安全・安心に関する雑感

陸上自衛隊 多賀城駐屯地の「創立記念行事」を見物してきた

こんにちは。自衛隊の即応力・自己完結力を尊敬している杜街です。

夏休み初日、陸上自衛隊 多賀城駐屯地の「駐屯地創立 65 周年記念行事」を見物してきました。

多賀城駐屯地は宮城県中部、仙台市に隣接する多賀城市の海沿いにあります。

現在は「第 22 即応機動連隊」「第 38 普通科連隊」などが駐屯しています。

この日、駐屯地の正門には大きな看板が立っていました。多賀城市は「市民夏祭り」を駐屯地内のグラウンドを借りて、毎年開催しています。

駐屯地開放とはいえ、正門では小銃を構えた警衛が目を光らせています。

 創立記念式典は観閲式からスタート。部隊が一斉にグラウンドに整列しますが、特に目を引いたのは第 22 即応機動連隊の規模の大きさです。改編前の「普通科連隊」に大和駐屯地の「機動戦車隊」が加わりました。また、かつての「重迫撃砲中隊」は郡山駐屯地などの野戦特科(対地ミサイル・大砲担当)要員の一部を組み入れ「火力支援中隊」に改編されました。

(しかし、私が注目しているのは仕事でお付き合いのある第 38 普通科連隊なので、写真も「赤マフラー」 38 連隊です。)

観閲式のあとは模擬戦闘。「機動戦闘車」など最新装備も目を引きますが、「即応機動連隊」として機動力を高めた行動パターンにも注目です。輸送力と防御力を高めた「装輪装甲車」も標準装備しています。

多目的に使える誘導ミサイルの最新型は、ジープタイプの車両1台に積めるコンパクトさ。レーダーまで一体化しています。

装備品展示コーナーの注目は、やはり最新型の機動戦闘車。トラックの上に戦車の砲台を付けた、キャタピラ式の「戦車」に代わる兵器です。ただ、キャタピラ式戦車の方が「カッコいい」のか、会場での子供たちの人気はイマイチのような気がします。

多賀城市の「市民夏祭り」も同時開催。駐屯地のグラウンドを開放し、陸上自衛隊のフラッグ隊や高校吹奏楽部のステージ、そして夜には盆踊りと花火大会が行われます。ステージは 14 時スタートでしたが、午前中の創立記念行事にも地域住民が多数集まり、模擬戦闘やパレードを見物したり出店でランチしたりと、思い思いに過ごしていました。

ところで、多賀城駐屯地の歴史は、多賀城市教育委員会が大震災後に調査をした報告書に詳しく書かれています。

sitereports.nabunken.go.jp

小さな農村・漁村だった多賀城の「産業振興」として軍・自衛隊を誘致した経緯があるようです。また、東日本大震災では、駐屯地も大津波で被災しながら人命救助・被災者支援に即応した自衛隊が、まさに「命の恩人」となった多賀城市民も多いのかもしれません。当時の活動については、以下のリンク先に隊員の体験談が紹介されています。

tagajo.irides.tohoku.ac.jp

日本を取り巻く国際情勢が複雑化し、自衛隊の役割や装備・組織も変化しています。そのような中でも、今後も地域に開かれた、信頼される自衛隊を目指してほしいと感じました。