杜街 diary

仙台・宮城・東北の街歩きと安全・安心に関する雑感

仙台七夕の前夜祭・恒例の花火大会はオリンピックイヤーに開催されるのか?

こgatuにちは。安全第一の杜街です。

東北三大祭りの「仙台七夕まつり」。前夜祭の「花火大会」を楽しみにしている市民も多いと思います。

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本祭りが8月6〜8日と決まっているので、花火大会も毎年8月5日に開催されます。8月といえば・・・そう、2020 年は東京オリンピック・パラリンピックの開催期間です。

ところで、いま全国の花火大会が「存続の危機」を迎えていることをご存知でしょうか。

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特に「警備費」の上昇がピックアップされています。警備員1人あたりの人件費も高くなっていますが、警備体制の大規模化・警備員数の急増も大きな要因です。その背景には、海外での市民を狙ったテロの発生があります。2016 年にはフランスで、花火大会の観客にトラックが突っ込むテロが発生しました。

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テロが発生すれば、それを防止するために警備体制を強化する→必要となる警備員数が増える。ここ数年、各種イベント会場の警備は雪だるま式で増員を余儀なくされています。中でも大規模な警備体制となる花火大会は、カネ(警備費)や数(警備員数)を確保できない地域から順に、止むなく中止となっているのです。

2020 年の仙台に話を戻すと、「カネ」はなんとか確保できても、「数」を確保できないかもしれません。考えられる理由は、以下のとおり。

  • 花火大会の警備は「雑踏警備」と呼ばれ、ふだんは街の工事現場などでの交通誘導を担っている警備員が対応する。2020 年8月5日は水曜日=平日のため、工事現場が通常どおり作業すると、警備会社は花火大会にまで手が回らない。
  • 東京オリンピックの警備は東北にも応援要請があり、各警備会社は苦慮しながらも警備員を供出するため、仙台に余分な警備員が残らない。たぶん。

上記のうち、例年は項目Aだけですが、2020 年はさらに項目Bが加わって、花火大会の開催が危ぶまれる事態となるでしょう。

では、安心して開催できるようにするにはどうするか。私の提言は3つです。

1. 会場を変更する

会場は毎年、仙台市中心部の広瀬川河畔となっていますが、このような市街地での開催は大規模な交通規制が必要となり、警備員数の増加要因です。

これを郊外(荒浜など沿岸部)に移転することで、大幅に警備員数を減らすことができます。ただ、用地の選定・地権者との調整と観客の交通手段の確保が課題となるでしょう。

今後の警備費の高騰を考えると、恒久的に花火大会を存続するためには、私はこの策を早めにとるべきと思います。

2. 工事現場の作業を止める

工事現場を発注する国・県・市に働きかけ、この日だけ作業の中止を依頼し実現すれば、警備会社は花火大会に警備員を供出できます。いまは建設業も「働き方改革」で休工を推奨しているので、受け入れられる可能性はあると思います。

3. 花火大会の日程を変更する・中止する

仙台七夕前夜祭」という冠の付く花火大会ですので、日程変更するくらいなら中止する可能性のほうが高いのかもしれません。他県では、来年の日程変更をすでに決めている花火大会もあります。

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いまのところ「来年の花火大会どうする?」という議論が聞こえてこない仙台市ですが、すでに日程が決まっていて必ず直面する課題ですので、早めの議論を期待したいところです。また、東京オリンピックの警備共同企業体にも、開催まで1年となった今の時点での状況を発表してもらえれば、各イベントの主催者も検討しやすくなると思います。

追記 2019 年8月3日

河北新報に、宮城県加美町涌谷町・美里町で花火大会が中止となった記事が掲載されました。

www.kahoku.co.jp

地方の花火大会はボランティアで支える時代なのかもしれません。